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暖炉、ペレットストーブ、バイオエタノール暖房などの使い勝手は?
2019.07.22
弊社の建築に対する考え方
再生可能エネルギー(自然エネルギー)の活用
今回お伝えするのは、薪やバイオマスエネルギーについてです。
バイオマスという言葉は聞き慣れない言葉かも知れません。これは、間伐材など、構造材として使えない部分の木の破片などを薪やペレットストーブに活用するという意味や、それ以外には、牧畜の糞尿などをつかってメタンガスを発生させ、それを燃やす事で「熱」をつくり出すといったことまで含まれます。
一言でいうと、再生される自然のサイクルに納まる材料を使いのがバイオマスです。
メタンガスを活用したボイラー等はヨーロッパなどで「地域暖房」として広がっています。「地域暖房」というのは、地域の暖房に使う「湯」を一手につくり、それを地域に供給する仕組みです。日本では、その試みはあまり進んでいません。
では、今の日本ではどのようにこれらのエネルギーを活用出来るでしょうか?
身近で考えれるのは、薪ストーブやペレットストーブでしょう。
最近で面白いのはバイオエタノール暖房です。
さて、これらの暖房器具は、実際に使い勝手はどうなのでしょうか?
まず、薪ストーブ。ストーブの炎は人の心を落ち着かせる作用もあり、使ってみたいところです。採用を考える場合は、まずその地域で使っている人がいるかどうかもチェックの1つです。なぜなら、煙が出るのでそれでクレームがつく場合があるからです。また、高気密高断熱の家の場合は、それに適合したものを使わないと、家の中に煙が逆流してしまう恐れがあるので、注意しましょう。
次にペレットストーブです。ペレットストーブも炎を楽しむ事が出来ます。しかし、スタンダードなペレットストーブと薪ストーブで大きく違うのは、薪ストーブは直接、炎が放熱して家の中を暖めますが、ペレットストーブは、暖まった空気を送風機で送り出す仕組みになっています。最近は、放熱型のものも出てきていますので、選定に注意しましょう。
ただ、薪ストーブに比べて、ペレットストーブは使い勝手がいいですね。
ペレットストーブの場合は、煙がでないため、基本どのエリアでも使用が可能です。
この上記の写真の家の場合は、ペレットストーブを使っていますが、高気密高断熱仕様にしているため、冬はこの吹き抜け空間一体をペレットストーブだけで暖房出来ます。設計時に、そういうことも押さえながら進める事で、住む人にとって設置する意義や意味をしっかり把握できるようになります。
最後に、これらの原料になる薪やペレットの入手ですが、インターネットなどを使って、安く手に入るところを探される方が多いです。冬の薪&ペレット代は、高気密高断熱の家でさらに断熱性能を高めれば、ランニングコストも灯油に換算したときの費用以下に抑える事も可能です。
ただ、次世代省エネ基準(2020年義務基準)レベルで設定すると、灯油代以上にかかる可能性がありますので、これらの設備を導入する場合は、実際の光熱費計算をしてから検討することをお薦めします。
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この記事の著者
八納客創(やのけいぞう)
一級建築士 G Proportion Architects 代表。
一級建築士 G Proportion Architects 代表。
「快適で居心地よく洗練されたデザイン空間」を探求している1級建築士。「孫の代に誇れる建築環境を作り続ける」をビジョンに、デザイン性と省エネ性、快適性を追求する一般建築を、そして住宅設計では「笑顔が溢れる住環境の提供」をコンセプトをもとに、会社員から経営者、作家など幅広い層の住宅や施設設計に携わる。