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- 日本風・純和風の高級住宅にするための外観、内装、間取り、玄関のポイント
昔ながらの安心感と温かみのある日本風・純和風の家は、安らげる空間でありながら日本の気候や風土に適していることで再び人気が高まってきています。
そこで、日本風・純和風の高級住宅を建てる際に重要となってくるのが、建設にあたって「純和風の家にする!」と決めることです。
こちらの記事では、中途半端な和風住宅にならないために気を付けたい日本風・純和風住宅の外観や内装、間取り、玄関のポイントについて紹介していきます。
Contents
外観4つのポイント|日本風・純和風の高級住宅
純和風で格調の高い家を目指すのであれば、①屋根の形状、②屋根瓦の選定、③軒樋(のきどい)と④軒受金物(というけかなもの)の選定に気を配ることが大事です。
ポイント①屋根の形状
純和風の家を建てるなら、屋根の形状は入母屋屋根(いりもややね)がおすすめです。
入母屋屋根とは「切妻屋根(きりづまやね)」の上部の形状と「寄棟屋根(よせむねやね)」の下部の形状が重なり合うように複合された屋根で、重厚な見た目が特徴であり、寺や神社などの建物に使われる日本の伝統的な屋根様式です。
純和風の家を建てるならば入母屋屋根が一番の選択ですが、もし難しければ寄棟屋根を検討してみてください。
ポイント②屋根瓦の選定
純和風の家には欠かせないのが、和風の装いをより一層際立たせてくれる和瓦です。
中でもおすすめしたいのは、鬼瓦という鬼の顔の装飾が施された瓦です。
鬼瓦には、鬼を見方に付けて厄を払うという魔除けの意味の他にも、建物を雨水から守るという実用的な役割もあります。
また鬼瓦は鬼の顔だけではなく、波や雲、鶴、七福神など豊富なデザインがありますので是非楽しんで選んでみてください。
また和瓦は、瓦職人の熟練した技術により「100年持つ」といわれる建築材料です。
末永く家を守ってくれる屋根にするためにも、瓦選びや業者選びは慎重に行うことをおすすめします。
ポイント③軒樋と樋受金物
純和風の家を作るには、軒樋(のきどい)と樋受金物(というけかなもの)の品質やデザインにも気を配ると良いでしょう。
軒樋とは屋根の軒下に設置された長い建材で、屋根に降り注いだ雨水を集めてスムーズに排水するための、雨水の通り道です。
そしてその軒樋を受ける金物のことを樋受金物と呼びます。
軒樋と樋受金物は建物の見た目を左右する部材ですので、デザイン性の高い和風のものを選ぶことはもちろんですが、大量の雨水や酸性雨にも耐えられる耐久性の高い素材を選ぶようにしましょう。
ポイント④外壁
木造の家を作るときの軸組み工法では「真壁(しんかべ)工法」と「大壁(おおかべ)工法」の2タイプの壁の納め方があります。
真壁工法は、意図的に柱や梁を露出させるので重厚な和の雰囲気が強く出せますが、壁の厚みが薄くなるため耐久性や気密断熱性が低くなるというデメリットがあります。
大壁工法は、柱や梁などの構造体を壁や天井の中に隠す工法であり、近年の高気密・高断熱住宅は大壁工法にすることによって耐久性や気密断熱性を高く保っています。
純和風の家づくりでは、真壁工法で外壁を作るのが一般的ではありますが、真壁工法では気密性能や断熱性能の確保が困難なため、大壁工法で作った上から真壁工法に見えるような付け柱を設けるという手法をおすすめします。
そうすることで、重厚な和風の外観を損なわないまま、気密断熱性能を確保した住宅を作り上げる事が可能です。
内装2つのポイント|日本風・純和風の高級住宅
次に、日本風・純和風の高級住宅をつくるための内装のポイントとして、①内壁と②天井について紹介します。
ポイント①内壁
前章の外壁の項目でもお話させていただきましたが、内装においても大壁工法で内壁を作り、耐久性や気密断熱性能を確保しつつ、付け柱で真壁工法のような和風に見せるという工夫をすることをおすすめします。
そうすることで、純和風の雰囲気を壊さないで、冬暖かく夏涼しい住みよい住宅を手に入れる事ができます。
【付け柱によって真壁和室の雰囲気とした例】
ポイント②天井
純和風の家にするのであれば、折上格天井(おりあげごうてんじょう)や竿縁天井(さおぶちてんじょう)といった格式高い和風デザインの天井を取り入れることを視野に入れてみてください。
折上格天井とは碁盤目に組んだ角材の上に裏板を張った天井で、中央部が一段高くなっている重厚な作りの天井です。
お城では将軍や大名の部屋に、寺院では仏様をお祀りする本堂に使われるなど、格式高い部屋に用いられてきました。
竿縁天井とは、壁面の上端に沿って備えつけた回り縁に「竿縁」と呼ばれる細い横木を等間隔で平行に通し、その上に天井板を乗せた天井であり、日本建築で最も一般的に用いられる伝統的な和室天井です。
折上格天井や竿縁天井といった日本独自の伝統的な天井の張り方は、空間に上品なアクセントが加わりますので是非検討してみてください。
間取り3つのポイント|日本風・純和風の高級住宅
日本風・純和風の家をつくるための間取りのポイントとして、①洋風の空間を作る場合、②縁側、③茶室について紹介します。
ポイント①洋風の空間を作る場合
外観が和風の家でも、内装に洋風テイストを取り入れることができます。
例えば、和テイストをメインとした上で洋風テイストを取り入れる「和モダン」な部屋では、フローリングにソファーやダイニングテーブルを設置するといったような、洋風のインテリアをおしゃれに楽しむことも可能です。
洋風の空間を取り入れたい場合は、完全に和風にする空間と、洋風テイストを取り入れる空間のエリアをしっかりと分けて、計画的に間取りの設計を行いましょう。
ポイント②縁側
和風の家屋の多くには昔から「縁側」や「広縁(ひろえん)」といった日本家屋独特の空間が設けられていますね。
一般的な縁側は幅が約90㎝程度のもので、幅が120㎝以上の縁側を広縁と言います。
縁側には部屋と部屋を行き来する廊下の役割や、室内の温度を調節する機能がありますが、その他にもイスやテーブルを置いてティータイムを楽しむなど、テラスのような空間として利用することもできます。
純和風の住宅をつくるのであれば、ぜひ縁側や広縁を設置して日本人に親しまれてきた憩いの空間を楽しんでみてください。
【広縁を計画した例】
ポイント③茶室
家に茶室を作りたい場合は、あらかじめ建築家にその旨を伝えておくことが大事です。
なぜなら、流派に基づいてしっかりと指導を受けたうえで間取り計画をしなければならないからです。
茶室には、躙口(にじりぐち)といわれる小さな入口や水屋が必要となりますし、広さ(床幅)の決まりなどがあります。
設計途中で茶室を急に追加すると、すべてのレイアウトがふりだしに戻ってしまうケースがありますので、最初に流派の指導を仰いでから計画的に設計を進めていきましょう。
玄関3つのポイント|日本風・純和風の高級住宅
日本風・純和風の高級住宅をたてるために大事な玄関のポイントとして、①引き違いの格子戸、②飾り棚、③奥行きについて紹介します。
ポイント①引き違いの格子戸
純和風の玄関扉といえば、伝統的な和風のデザインである引き違いの格子戸を取り入れたいですね。
大きな引き違い格子戸を設置するには、玄関の幅は1間半〜2間(約2.7m〜3.6m)程度必要となります。
引き違いの格子戸はレトロな雰囲気が和風住宅にマッチして見栄えも良く、通気性も優れている反面、防犯面が心配な方も多いかと思います。
そういった場合は、二重扉にするなど工夫をすることで防犯性を確保しつつ、格子戸を閉めたままでも風を通すことができます。
ポイント②飾り棚
玄関の壁は、和風のインテリアを演出するのに最も効果的な場所です。
玄関の壁に飾り棚を設置することで、季節の花を飾るなど日々変化のある玄関の装いを楽しむことができます。
和風の玄関は物をあまり置かずにすっきりとさせておいた方が美しく洗練された雰囲気になります。
そこに、一輪挿しを置くなどの凛とした演出を楽しんでみてください。
【玄関の正面に飾り棚を設置した例】
ポイント③奥行き
和風の家における、玄関の幅に合わせたバランスの良い奥行きについてですが、一般的な和風住宅では2間~3間(約3.6m~約5.5m)程が適しています。
家族構成や来客の多さなど、ライフスタイルにあわせて検討してみてください。
サマリー:日本風・純和風の高級住宅を建てるための外観、内装、間取り、玄関のポイント
こちらの記事では、日本風・純和風の高級住宅を建てるための外観、内装、間取り、玄関のポイントについて紹介しました。
外観においては4つ
- 屋根の形状
- 屋根瓦の選定
- 軒樋と樋受金物
- 外壁
内装においては2つ
- 内壁
- 天井
間取りについては3つ
- 洋風の空間を作る場合
- 縁側
- 天井
玄関においては3つ
- 引き違いの格子戸
- 飾り棚
- 奥行き
それぞれ具体的に紹介させていただきました。
日本風・純和風の高級住宅を建てるには、「絶対純和風の家を建てる!」という明確な意思とビジョンを持って取り組んで頂くことが完成への近道かと思います。
この記事が、素敵な和風住宅を実現するお手伝いとなれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。