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- 【ナチュラルな家づくり】天然素材の家を建てる前に知っておきたい5つのこと
天然素材を使ったナチュラルな家は地球環境にも人間にも優しく、見た目も温かみがあって素敵ですね。
しかし実際建ててみると、思い描いていた理想の家とのギャップがあったということにならないよう、建てる前に天然素材について知識を深めておくことが重要です。
こちらの記事では、天然素材の家を建てるために必ず知っておきたい5つのことについて紹介しています。
Contents
【ナチュラルな家】天然素材の家を建てる2大素材
「天然素材の家」とは、自然素材を多く使って建てた家のことです。
一般的に天然素材として使われる2大素材
- 1.無垢材
- 2.漆喰
について紹介していきます。
【1】無垢材
「無垢材」とは天然無垢な状態の木からそのまま切り取った木材のことです。
家具材や床材、内装材、構造材などにに利用することができます。
一般的に使われる「複合フローリング」という床材は、集成材や合板の基材の上に薄い天然木の板を接着剤で合成した合板のことであり、無垢材ではありません。
【床にパイン無垢材、天井に栂無垢材を使用した例】
【2】漆喰
「漆喰」とは、天然素材の塗り壁材のことで「呼吸する壁材」と言われています。
水酸化カルシウム(石灰)が主原料となっており、自然界に存在する石灰が使われています。
石灰岩は太古の石灰藻や珊瑚、貝殻、石灰質プランクトンなどの炭酸カルシウムで殻や骨格を構成する生物の屍骸が堆積し石化したものです。日本で唯一自給できる鉱産資源と言われています。 |
漆喰の壁には
- 呼吸をする
- 帯電しない
という特徴があります。
一般的に使われる壁材の「ビニールクロス」(ポリ塩化ビニル製)よりも、冬場の屋内での静電気が起きにくくなり、チリや埃の飛散防止にもなります。
【スイス天然漆喰のフェザーフィールを内壁・天井に使用した例】
【ナチュラルな家】天然素材の家を建てる前に知っておきたい5つのこと
無垢材と漆喰について知識を深めていただいたところで、天然素材の家を建てる前に必ず知っておきたい5つのことについてご紹介したいと思います。
- 1.床のメンテナンス
- 2.漆喰の基礎知識
- 3.経年による変化のしかたを知っておく
- 4.季節の変化を事前に知る
- 5.ストレス対策
それぞれ詳しく紹介していきますね。
【1】床のメンテナンス
床に使用できる天然素材の無垢材は、メンテナンスすることで末永く使い続けることができます。
使用環境や樹木の種類によっては100年持つとも言われています。
ただ、メンテナンスをしないまま使うと傷みが激しくなる場合があります。
5年に1度程度オイルを塗るなどのメンテナンスをすると、前面張り替えをすることもなく何十年も使い続けることができます。
【2】漆喰の基礎知識
漆喰の壁は、ヘアクラック(髪の毛ほどの幅のヒビ)が入りやすく、部屋の四隅や窓枠との隙間が開いてきたりします。
それは至って普通のことで、施工ミスではありません。
天然素材は季節の温度や湿度の変化により伸び縮みしてしまうからです。
特に天然素材の含有量が多いほどひび割れは起こりやすくなります。
また、建物ができて1年以内は特に変化が起こりやすいので、隙間やひび割れができやすい時期といえます。
2年目以降になってくると、そこまで大きな変化はなくなります。
施工後1年経った時に補修するなどして一度整えると、そこからは安定するということを知っておくとよいでしょう。
【3】経年による変化のしかたを知っておく
天然素材がどのように経年変化するか、あらかじめ知っておくことが重要です。
例えば、外壁に杉板を使う場合、初めのうちは木の色を保っていますが、5年程すると薄いグレーの色などに変色してきます。
経年変化の部類でも、かなりの変化を遂げるのです。
経年変化がどのように進むかを把握していないまま素材を使うと、その変化に驚くことでしょう。
「こんなはずじゃなかった」とがっかりすることのないよう、あらかじめ知識を得ておくと安心できますね。
【4】季節の変化を事前に知る
先程もお伝えしましたが、無垢材などの天然素材は季節の温度や湿度の変化により伸び縮みしてしまいます。
無垢材のフローリングは季節によって隙間が大きくなることもあり、伸縮具合が大きい場合は予想以上の変化に戸惑う方もいらっしゃいます。
天然素材を使うことを検討されているのであれば、天然素材の家を見学させてもらい、実際どのような変化が起こりえるのか聞き取りするなど、情報を集めておくとよいでしょう。
【5】ストレス対策
天然素材は傷つきやすいので、ストレス(負荷がかかって生じるゆがみ)を溜めすぎないように配慮することも重要です。
例えば、椅子の脚に専用の靴下を履かせるなどして極力フローリングを傷つけないようにするなどの方法があります。
しかし、絶対傷つけまいとシビアになりすぎる必要はありません。
気にしすぎてしまうと、家族みんなに緊張感が伝わりリラックスできない家になってしまいます。
そして無垢材の傷は、ただの劣化した傷とはならないということを覚えておいてください。
経年変化の中で味わい深さが増し、共に時を刻んだ証となることでしょう。
また、大きな凹みなどは個人で簡単に修復することも可能です。
凹みの上に濡れたハンカチを置き、その上からアイロンをかけることで修復できるという裏技があります。
ストレス対策においては、住む人の居心地の良さを一番に考えた上で、できる範囲の対策をすることをおすすめします。
【外壁一部と軒天に無垢杉材を使用した例】
サマリー:【ナチュラルな家】天然素材の家を建てる前に知っておきたい5つのこと
この記事では、一般的に天然素材として家づくりに使われる2大素材「無垢材」「漆喰」の基礎知識。
そして、天然素材の家を建てる前に必ず知っておきたい5つのことについてご紹介させていただきました。
無垢材とは |
木そのものであり、天然無垢な状態の木からそのまま切り取った木材のこと |
漆喰とは |
水酸化カルシウム(石灰)が主原料となっている塗り壁材のこと |
天然素材の家を建てる前に知っておきたい5つのこと |
無垢材の床はメンテナンスすることで末永く使い続けることができる |
漆喰の基礎知識として施工後はひび割れが起こりえる |
自然素材の経年変化についてあらかじめ知っておくことが重要 |
天然素材は季節の温度や湿度の変化により伸縮する |
ストレス対策はシビアになりすぎずできる範囲で行う |
この記事が、天然素材を使ったナチュラルな家づくりのお役にたてば幸いです。