2020年版 書斎再考 ビフォーコロナアフターコロナで価値がガラッと変わった
2020.05.27
ライフスタイル
家づくり
男のロマン「書斎」。
家造りをする際には、できれば作りたい場所の1つ。
打ち合わせ時、2〜3割の男性が「書斎が欲しい」といいます。
しかし、本当に書斎を作る人は1割程度。
なぜなら、私が「本当に使いこなせますか?」という問いかけに、答えられず、そのまま書斎計画が立ち消えするケースが多かったからです。
意地悪に聞こえるかも知れませんが、実際に書斎を作ってその後きっちりと書斎として使っている家が少なく、ほとんど納戸になってしまっているからです。
そういった意味でも、書斎を安易に作ることのもったいなさをお伝えしてきました。
しかし、2020年。
私自身の考えを改める時がしました。
なぜなら、コロナ禍で、家の使い方がガラッと変わってきたからです。
2020年における書斎について「再考」しようと思います。
1.2020年書斎の重要性について
リモートワークや在宅勤務が増えた昨今。
非常事態宣言が解除されると、ビフォーコロナのときのようなライフスタイルが待っているでしょうか?
一部の人は戻るかも知れません。
しかし、2020年秋口に新型コロナの第2波が来る可能性もあります。
その時に、改めてリモートワークに戻る可能性もあります。
そう考えると、大きな確率で、リモートワークを少なくとも1年以上続けることになります。
今は、一時しのぎで作ったワークスペースで硬みの狭い思いをして仕事をしている男性も多いことでしょう。
そういった意味でも、家の中に定期的に使用することを前提にした書斎やワークスペースを確立することは重要になってきます。
2019年までとそれ以降で、家における書斎の役割が大きく変わったと言えるでしょう。
【完全個室かセミオープンかそれともワークスペースの一角か?自分の本音で思う部分をまずは口に出してみよう】
2.家造りにおいて抑えておきたい書斎の形
書斎=個室というイメージを持っている人もいると思います。
しかし、個室で設けると「寂しくなって」家族のいるところに出てきて、気がつくと納戸化してしまうケースが後を経ちませんでした。
では、ここで何を抑えておかないといけないのか?
それは、自分がどのタイプの書斎が欲しいのか?を明確にする視点です。
完全個室が欲しいのか?
それとも、家族と同じスペース内に書斎スペースを作りたいのか?
自分にあった作り方を自分自身で把握しておくことはとても重要です。
3.忘れてはならない「家事室」の存在
2019年までは「書斎を作るぐらいなら、先に家事室を作りましょう」と提唱していました。
書斎が、納戸化してしまうのに対し、家事室は「女性の心を穏やかにする最高の癒やし場所」になる可能性が高かったからです。
そして、2020年。
家事室の大切さは変わりません。
というよりも、より重要度を増しています。
なぜなら、家族皆のおうち時間が長くなり、女性が一人で過ごす時間や場所が極端になくなり、ストレスが溜まる一方だからです。
【家事室は女性のオアシスにもなり得る場所。これからの重要度は更に増すでしょう】
書斎や書斎スペースを作るのでしたら、セットにして家事室や家事スペースを確保する「バランス」が大切です。
書斎や家事室とも部屋として確保できない場合は、共有スペースの一角に「専用エリア」として作るのもいいでしょう。
アフターコロナに移行する現在において、絶対に忘れてはいけないスペースの1つになるでしょう。
おわりに
いかがだったでしょうか?
書斎に対する捉え方が、2020年になってガラッと変わったのを時間いただけたでしょうか?2020年秋口に新型コロナの第二波が来なければ、それに越したことはありません。
しかし、大きな確率で第二波が来るようでしたら、ライフスタイルを完全にアフターコロナ仕様に仕様チェンジしておく必要があります。
2020年の秋口までの数ヶ月、じっくりそのことを考えながら、必要な環境を整えていきましょう。
また、これから家造りをしていく人は、書斎、家事室、ワークスペースの充実を図る家造りを意識してみましょう。
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この記事の著者
八納客創(やのけいぞう)
一級建築士 G Proportion Architects 代表。
一級建築士 G Proportion Architects 代表。
「快適で居心地よく洗練されたデザイン空間」を探求している1級建築士。「孫の代に誇れる建築環境を作り続ける」をビジョンに、デザイン性と省エネ性、快適性を追求する一般建築を、そして住宅設計では「笑顔が溢れる住環境の提供」をコンセプトをもとに、会社員から経営者、作家など幅広い層の住宅や施設設計に携わる。