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- パッシブハウス基準の家を建てるメリット
2018年3月に、パッシブハウスジャパン が主催する「エコハウスアワード2018」が開催されました。
弊社も「街中をラグジュアリーに住みこなす家」を応募しました。
普段から、高断熱高気密住宅をデザイン的に作り込むことをやってきましたが、今回、審査の過程で「パッシブハウスジャパン が推奨しているパッシブハウス部門にほぼ近いので、審査は、パッシブハウス部門で行います」という返答をいただきました。
身が引き締まる思いでしたが、弊社が標準的に設計している物件で、南向きの家で、日射取得と遮蔽のバランスがうまく取れると、年間暖房負荷15kWh/m2a が取れることが対外的にも証明されたと実感しています。
「どれくらいの高断熱高気密にするか?」
は、建主の方と、しっかりと打ち合わせをします。
この家のお施主様とも、
「これだけダイナミックなLDKの空間を作るのでしたら、8畳用エアコン1台でも隅々まで暖かくなるくらいの断熱気密仕様にした方がいいでしょう」
と言った会話をしながら、全体の断熱性能を決めていきました。
この家の場合は、具体的にいうと、それまで住んでいたマンションが80m2で、毎月の平均光熱費が2万4000円でした。それに対して、この家は家の規模が約3倍ありますが、通常の家の仕様なら3万5千円〜4万円ぐらいになりますが、この家では、光熱費は高い時で1万6千円、安い時で9千円でした。
太陽光発電は20年ぐらいしか持たない設備ですが、それとは違い、この光熱費の差額は、家が建っている限り一生続きます。
私の事務所では「太陽光発電を乗せるのなら、その前に家の断熱化と気密化を図った方が、一生コストダウンできますよ」とお伝えしています。
パッシブハウス基準の家ぐらいになると、瀬戸内海の気候で、Q値=1、Ua値=0.3ぐらいになります。
これまで設計してきた家などのから考えると、Q値は、1.7以下になると、快適性と光熱費の差額などのメリットが出てくると実感しています。
詳細は、パッシブハウスジャパン のHPにも掲載されていますので、そのリンクを貼っておきます。
こちらをクリックください。
おかげさまでこの家は「エコハウスアワード2018」にて、特別賞「意匠賞」をいただきました。
大きな家ほど、機械設備に頼った空調設備が多く、光熱費もバカになりません。
地球環境のことを考えると、こういう大きな家ほど、光熱費を無駄遣いしないようにする必要がありますし、さらには、こういう家から高断熱高気密の快適性が広がれば、自ずと影響力のある人に広がっていくと考えています。
これが、日本に高断熱高気密住宅を広げるきっかけになればと切に思いますね。
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一級建築士 G Proportion Architects 代表。