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開口部をデザインして太陽熱を上手に取り入れる方法
2019.07.11
弊社の建築に対する考え方
再生可能エネルギー(自然エネルギー)の活用
省エネ(エコハウス)
エアコン
再生可能エネルギー(自然エネルギー)の中でも太陽熱は、ある意味無限に活用出来るエネルギーです。
ただ、この夏の省エネ対策などの情報が最近溢れて「暑さをしのぐためにどうすればいいか?」という事ばかりクローズアップされてきたように個人的に実感しています。
北海道などの寒い地域では逆に「寒い季節に太陽光を家の中にどう取り入れるか?」を考えているのはご存知ですか?
※北海道などの地域に住んでいる人からとれば当たり前のことと思います
そして、この発想は冬場に暖房が必要になるエリアならどんどん活用したい内容でもあるのです。
例えば、真冬に太陽の日光を家の中に燦々と取り入れることが出来ると暖房負荷も格段に下がります。
「でも、そんなに日光を家に入れれば夏暑くてかなわないのでは・・・」
と思われる方もいるでしょう。ですが、これは十分解決が可能です。なぜなら、夏と冬の太陽の入射角度が違うからです。
特にそれが活用できるのが南側の方位です。
例えば北緯35度(東京~福岡にかけての太平洋側付近)では、真夏の南中高度は78°、真冬で32°ぐらいになります。その差45°・・。
具体的には、庇などをつけて真夏の暑い時期の太陽光を室内入れないように設計します。
そして、それと合わせて南側の開口部を大きく取るデザインにすることが重要です。
東西は、夏でも冬でも入り込んでくる太陽光はあまり変わりませんので、住む方の要望に合わせて開口部はあまり大きくしない方が賢明です。
※開口を大きくするのなら、光を反射するLOW-Eガラスを活用したり外付けブラインドなどをつけることも一つの方法です
ここで、注意していただきたいのは「南側の開口部のガラスにLOW-Eの遮熱タイプのガラスを使うと冬場に太陽熱を家に取り入れづらくなる」という事です。
専門家のなかでもこの辺りの知識が曖昧なかたも多いので、この事実はぜひ覚えておきましょう。
開口部のデザインのまとめですが
●南側の開口は大きく取る。ただし、夏の日差しを避ける庇は重要
●それ以外の方位はあまり大きな開口にしない方がベター
●LOW-Eなどのガラスは断熱型と遮熱型があり、南側の開口部に遮熱型を使用しない
●確実に、燃費計算をしてもらい、窓のデザインバランスを検討してもらう
を心がけるのが太陽熱を活用するうえでは重要です。
特に最後の「燃費計算をしてもらう」というのは、ポイントです。
窓のサイズや種類など、その他断熱性能などからこの家の光熱費がいくらぐらいになるか?は、設計当初から計画が可能です。
まだまだ業界には浸透しきれていませんが、これから「燃費計算」出来る専門家かどうかは重要なので、必ず確認することをおすすめします。
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この記事の著者
八納客創(やのけいぞう)
一級建築士 G Proportion Architects 代表。
一級建築士 G Proportion Architects 代表。
「快適で居心地よく洗練されたデザイン空間」を探求している1級建築士。「孫の代に誇れる建築環境を作り続ける」をビジョンに、デザイン性と省エネ性、快適性を追求する一般建築を、そして住宅設計では「笑顔が溢れる住環境の提供」をコンセプトをもとに、会社員から経営者、作家など幅広い層の住宅や施設設計に携わる。