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家事室を女性のオアシスにするという発想
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前回「書斎は男のロマン」という話をしました。
一言でいうと、父親と母親にとって子供達にそれぞれの威厳をみせる場所が必要だという話で、父親にとっては書斎がその象徴で、母親にとってはキッチン、ダイニングがその象徴でした。
そして、書斎を作ろうとすると多くの男性の場合は、使い熟せず納戸化してしまうので、書斎を作ることはよっぽどの覚悟が必要だけど、書斎に象徴するような場所を持つことは重要ということをお伝えしました。
また、父親の威厳を保つためには、母親が父親のことを子供の前で愚痴ら無いように、など父親の肩を持つような発言に聞こえたかも知れませんが、私は「書斎を作るぐらいなら家事室を作ったほうが断然いい」と伝えています。
「あれ、八納さんは男性の味方じゃないの?」と思った方、すみません。
と、いっても女性だけの味方という訳ではなく、それぞれの夫婦関係が一番良くなるように願っているだけです。
父親ほど、母親の威厳を保つ場所を固定する必要はない
さて、話を戻しますが、多くの男性が家にいる時間が短いので、書斎に象徴されるような場所が威厳を保つために必要ですが、女性の場合は、威厳を象徴するような場所をあえて固定する必要はないと考えています。
なぜなら、多くの家庭で、母親の精神状態がその家の雰囲気の多くを決めているからです。
・・・すでに母親としての威厳を自然と醸し出しているケースが多いのですが、その自覚が少ない女性も多いです。
まさか、自分の心持ちが家族みんなに影響しているなんて・・・
というのも、夫が「ただいま〜」と帰宅したときに、「あら、おかえり」という妻の声やトーンをキャッチして、「今日の機嫌はどうかな〜」と、意識している男性のどれだけ多いことか。
そういうことも含め、妻の心理状態は、家の中のバランスを考えた時に、とても重要な要素になってきます。
その時に重要になるのが、妻の精神、心理状態を整える「家事室」という場所なのです。
家事室を母親のオアシスにするという発想
家事室というと、洗濯物をたたんだり家計簿をつけるなど家事を行う部屋というイメージがつきまといますが、現在の家事室には、それだけでなく「妻が一人きりで精神を休ませることができる場」としての役割も大きくなっているのです。
これを強く提唱しているのは、まだ私ぐらいしかいませんが、これまでの家づくりで実践してきて切実に思う実感なのです。
「子供を出産してから10年間熟睡したことがない」
という母親と出会った話を度々しています。
仕事には週末がありますが、子育てには基本週末はありません。
どこで息抜きをすることが出来るのでしょうか?
母親がどれだけ精神的に落ち着いていたり、安定しているかは、とても重要なことなのです。
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【キッチン横に設置した家事室の例、大好きな裁縫が出来ること前提に作成した収納計画が際立つ】
時には、夫が子供の面倒をみて、妻が一泊自由に旅行する、日帰りで気分転換するということも大切です。
そして、日常的に気持ちを整える習慣を作る、整える環境を作ることも同じくらい重要です。
そのための場所が、家事室なのです。
スペース的に家事室が取れ無い場合は、「あの場所にママがいったらそっとしておこうね」という場所を家族のルールの中で決めるのも一つです。
父親の威厳を保つ場所、母親の精神的な落ち着きが作れる場所。
ぜひ、普段から意識してお互いを尊重する生活習慣を身につけましょう。
そして、動画でもそのニュアンスを受け取ってみましょう。
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この記事の著者
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八納客創(やのけいぞう)
一級建築士 G Proportion Architects 代表。
一級建築士 G Proportion Architects 代表。
「快適で居心地よく洗練されたデザイン空間」を探求している1級建築士。「孫の代に誇れる建築環境を作り続ける」をビジョンに、デザイン性と省エネ性、快適性を追求する一般建築を、そして住宅設計では「笑顔が溢れる住環境の提供」をコンセプトをもとに、会社員から経営者、作家など幅広い層の住宅や施設設計に携わる。