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業界の悪しき習慣から家を守るために知っておきたいこと(木構造)
2018.09.03
家づくり
家づくり成功のツボ
メルマガバックナンバー
資産
狭小住宅
木造の家がなぜ短命だったのかの
理由やその説明、そして改善について
お伝えしてきましたが、今回が最後です。
これまで、
・それまで壁に断熱材を入れていなかった
のに断熱材を入れるようになって、壁の
なかが結露して腐ってしまうことが増えた
・シロアリ対策がなされていなく、
シロアリ被害が多く出た
・家のサイズと家電製品のサイズが合わなく
なり、その頃は高度経済成長期だったので
家をリフォームせずに建て替えた
・木造の構造的な見解が、専門家でも曖昧
だった
の4つの理由のうち、上記3つについて
お伝えしましたが、今回は4つ目の
「木造の構造的な見解が、
専門家でも曖昧だった」
という話をしましょう。
結構これは衝撃的な話です。
木造住宅は、昔から作られてきた工法ですが
その構造に関しては、建築基準法上でも
規定があります。
例えば、
・全体でどれくらいの構造の壁があるか?
・その壁の入っている全体バランスはどうか?
・木を土台のコンクリートに留める
金物はどうか?
・基礎の配筋はどうか?
など、細かく言えばもう少し規定が
あります。
それらを検証して、構造を決めて行きます。
しかし、建築業界の中で一つ不思議な特例が
あります。
それは、
「通常の木造住宅の場合は、それぞれ
専門家が責任持って、建築基準法の
規定に則って計画してください。
審査機関では、それを審査しません」
というものです。
そして衝撃的なのはここからです。
上記を四号特例という専門用語で言いますが
この特例を実際には解釈を勘違いして、
「これまでの作り方で大丈夫だったから
自分の直感と経験で、壁や金物を
入れればいい」
と、思い込み、上記の検討を実際に
していない住宅が溢れているのです。
確認申請機関でもチェックしないから
分からないんですよね。
実際に、設計者、施工者、棟梁などが
受けと仕事で、直感と経験だけで、構造を
考えて、家が傾くなどの事故も起こったり
しています。
これは氷山の一角です。
ハウスメーカーなどはそういったことは
ないでしょうが、地方の大手建売業者などで
構造計画をきっちりとしていなかった、
ということでニュースになっていたことも
あるくらいです。
家の寿命を考えると、構造が持つかどうかは
根本的な部分で重要です。
では、どうすればいいか?
もし、これから建てようと思う人は、
「構造検討の資料を提出してください」
と言ってみましょう。
四号特例をしっかりと認識している
専門家は当然のごとく資料を提出してきます。
もし、資料がないという専門家の場合は、
さよならした方がいいです。
既存の木造住宅に住んでいる人も
過去の資料、例えば確認申請や図面関係が
残っていれば、そこに
・壁量計算
・金物検討
という図面名称の図面があれば
検証した結果にはなります。
確認してみましょう。
さて、今回で
「狭小敷地を宝物に変える5つのこと」
を終了します。
かなり、多岐に渡りましたが、
家の資産性を確保するには
どれも大切なことです。
そして、今回まで述べてきた項目ですが、
このような形でまとめた情報が読める
本などがありません。
周りで家づくりを考えている方が
いましたら、シェアしてあげてください。
八納啓創
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この記事の著者
八納客創(やのけいぞう)
一級建築士 G Proportion Architects 代表。
一級建築士 G Proportion Architects 代表。
「快適で居心地よく洗練されたデザイン空間」を探求している1級建築士。「孫の代に誇れる建築環境を作り続ける」をビジョンに、デザイン性と省エネ性、快適性を追求する一般建築を、そして住宅設計では「笑顔が溢れる住環境の提供」をコンセプトをもとに、会社員から経営者、作家など幅広い層の住宅や施設設計に携わる。