YANO'S BLOG
Q&A)高気密の家って息苦しく無いのですか?
2018.09.25 省エネ(エコハウス) Q&A 家づくり110番 メルマガバックナンバー
前回のダイニングテーブルで勉強する
メリットとデメリットはどうだったですか?
 
各ご家庭によって、ケースバイケースで
活用方法が変わると思いますが、
 
本質的な答えは前回お答えしたものです。
ぜひ、それぞれのご家庭で活用して
もらえればと思います。
 
では、今回のQ&Aですが、ここ数年
家づくりの時によく聞かれる「高気密」に
ついてです。
 
これは、専門家でも誤解している人が
多い内容なので、興味がある方は
ご覧ください。
 
 
◇今回のQA 
高気密って息苦しくないのですか?
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(ご質問)
最近「高気密・高断熱の家がいい」
という話をよく聞きますが、
高気密と聞くと息苦しそうに感じるのですが、
本当に問題ないのでしょうか?
 
(八納の回答)
まず、ご質問されている方は
「ビニール袋に顔を突っ込んだ状態」を
イメージしているのではないでしょうか?
 
確かにビニールに顔を突っ込んでいたら
苦しくなるでしょう。
 
しかし、住宅の場合の気密性というものは、
そのイメージで考えると
大きく誤解してしまいます。
 
どちらかというと、気密を高めてもようやく
「すきま風」を押さえることが
出来るぐらいだからです。
 
例えば、日本の北海道などのエリアで
以前推奨されていた気密のレベルで言うと、
排気口から100空気が出ると、
約30ぐらいが吸気口からはいり、
のこり70はすき間から入ってくる
ぐらいのレベルです。
 
みなさんが思っているほどの
レベルでは全くありません。
 
 
ちなみに少し専門的ですが、
気密を隙間相当面積という数字で
表します。数字が小さくなればなるほど
隙間がないことを示しています。
 
北海道エリアで2が推奨されていました。
 
さらに高気密化を図って、その数字を
倍の1にしても、
吸気口から60~70ぐらいしか入ってこず、
残り30ぐらいはやはりすき間から
入ってくるレベルです。
 
ちなみに他の先進国で求められている
最低の気密基準が北海道基準の倍の性能
の1です。
 
さらに、進んで高気密化を図っている
会社もありますが、息苦しくなることは
ありません。
 
少し突っ込んだ話をすると、
最近のマンションにおける気密は、
0.2です。
 
限りなく隙間がないように思うかも
知れませんが、マンションで息苦しい
経験をした人はいますか?
 
もちろん換気をすることが前提ですが
そのようなことは無いはずです。
 
では、
なぜ息苦しく感じると「思う」のでしょうか?
 
それは、高気密・高断熱化を図ると
外部の音が入らなくなり、
室内が「無音」状態になってきて、
「し~ん」としている室内にいるのを
心理的に落ち着かなくなり、
それを「居心地悪く」感じてしまうからです。
 
あまりにも「無音」だと人は落ち着かない。
じゃ、音が入るようにすればいいのか?・・
 
街中だと車の騒音が入ってくるだけです。
郊外だと、鳥のさえずりや川のせせらぎなどは
取り入れたいところです。
 
郊外では季節のいい時は窓を解放したいですね。
 
閉め切っている時期や街中などの場合は、
室内でBGMをかけたりすることで
落ち着くイメージを演出させます。
 
そうすると、
気持ち的にも落ち着きやすく、
逆に騒音がなく気持ちも
穏やかになるでしょう。
 
 
八納啓創
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この記事の著者
八納客創(やのけいぞう)
一級建築士 G Proportion Architects 代表。
「快適で居心地よく洗練されたデザイン空間」を探求している1級建築士。「孫の代に誇れる建築環境を作り続ける」をビジョンに、デザイン性と省エネ性、快適性を追求する一般建築を、そして住宅設計では「笑顔が溢れる住環境の提供」をコンセプトをもとに、会社員から経営者、作家など幅広い層の住宅や施設設計に携わる。