YANO'S BLOG
夫婦で共同創造するときに押さえておきたいツボ
2018.11.21 家づくり 家づくり成功のツボ メルマガバックナンバー
このメルマガを読んでいる皆さんの中で
実際に家づくりに臨む以外の方も多いと
思いますが、家づくりに関わっていると
 
興味深いことに、全てのことに置き換える
ことが出来るような出来事もよく起こります。
 
家づくりは特に夫婦の共同作業、共同創造
という部分がクローズアップされます。
 
どのようにしてそれを具体的に
構築していくのか?
 
今回のお伝えするものは、
家づくりの最中で、悩んでいるかたから
いただいた質問です。
 
夫婦のバランスの取り方の
気づきにもつながる内容なので
ご紹介します。
 
 
(ご質問)
現在、家の工事中で先日上棟しました。
設計のころは、雰囲気も和やかに
進んでいたのですが、工事に入ってから
工程の事や聞いていなかったことなどが
いろいろと出てきて、不信感が
募ってきました。
 
このままだと、
だんだん険悪なムードになってしまい
そうで、心配です。
 
僕たち夫婦もそのことで
喧嘩が増えています。
どうすればいいでしょうか?
 
 
(八納の回答)
今後のことを考える不安ですよね。
ですが、このことを質問していること
自体がとても大切です。
半分解決したようなものです。
 
というのも、
多くの場合は、もやもやしたままの
気分をどことなく我慢して
険悪になることを止めることが出来ず、
最後には、
 
「こんなはずじゃなかったのに!」
 
ということになってしまうからです。
 
私自身もたくさん経験してきたので、
その気持ちやどうしてそうなったのかも
良く分かります。
 
意識したいことが3つあります。
 
1つめは、
工務店に期待していたことが何なのか?
そして、期待が失望に変わった
部分を明確にすること。
 
2つめは、夫婦の間で、家づくりの内容を
どこまで合意してきたかということ。
 
3つめは、工務店に自分たちが感じている
不満をフラットに伝えること。
 
です。
 
1つめは、受注活動中に営業マンが、
期待させるようなことをいろいろ言って
契約に至った場合におこりがちです。
 
例えば、工事中も細かいサポートを
してくれるようなイメージで
話を聞いていたのに、気がついたら現場で、
何の確認もなく思いと違う製品が
ついていたりします。
 
こういう経験が増えると、
 
「ん?言っていることと
やっていることが違うのでは?」
 
と思うものです。
 
期待をさせ、その期待以上に応える仕事を
するというスタイルもありますが、
この方法は、なかなか上手くいきません。
 
なぜなら、期待に応えれないことが
出てくると、それは一瞬にして
失望に変わるからです。
 
個人的には、設計者や工務店が、
建て主の「夢」を叶えるために
そこに誠心誠意を込めてプロジェクトを
進めることは重要だと思いますが、
 
設計者や工務店に、
建て主を依存させる(期待させる)方法で、
家づくりをしても、うまくいかないと
思っています。
 
1つ目に意識することとして、
工務店に何を期待していて、
何を裏切られたと感じているのかを、
紙に書き出してみましょう。
 
2つ目について、
1つ目のことを夫婦で情報を共有しましょう。
 
「やっぱり、私はこの工務店は
嫌だと思っていたの!」
 
とパートナーから
不満が噴出する場合もあります。
 
そうなることが余計嫌だと思って、
夫婦の間でも触れないようにして
どうにか最後まですすめようとしても、
必ずどこかで夫婦の間で
トラブルが生じます。
 
住み始めてから、
パートナーがぶつぶついうケースもあります。
 
それは避けたいところです。
 
2つ目は、
夫婦で言い争いをするのではなく、
それぞれがどう不満や不安に
思っているかを棚卸して、
夫婦で共有することが重要です。
 
「君だけに不安な思いを
担がせていて申し訳なかった」
 
と一方が、言えるようになれば、
しめたものです。
 
夫婦の間の不満や不安な気持ちが、
落ち着けば落ち着くほど
いい流れに転換していく
可能性が高くなります。
 
夫婦として、気持ちが落ち着き、
1に関して整理が出来れば
次に3つ目を行います。
 
3つ目は、
自分たちは被害者という意識でいうと、
相手は抵抗をはじめます。
 
ポイントは、
 
「自分たちも認識が違っていた
可能性があるけど、今の間に
しっかりとした共通認識をもちたい」
 
というスタンスで、伝えます。
 
「私たちは、仕上げや仕様など
一つ一つ確認をとってから決定して
いただけると思っていたけど、
知らない間に設置されている部分があります。
 
私たちとしては、それは話が違うと
思っていますので、今後は確実に一つ一つ
確認を取ってください。
 
私たちの確認がないまま、現地でものが
ついていたら、それはやり直してもらう
可能性が高いので気をつけてください」
 
一つの例ですが、
このように対処してみましょう。
 
その結果、工務店の対応が
改善されればいいでしょうし、
改善されない場合は、
担当者だけでなく、責任者にも
伝えるようにするなどしてみましょう。
 
 
八納啓創
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この記事の著者
八納客創(やのけいぞう)
一級建築士 G Proportion Architects 代表。
「快適で居心地よく洗練されたデザイン空間」を探求している1級建築士。「孫の代に誇れる建築環境を作り続ける」をビジョンに、デザイン性と省エネ性、快適性を追求する一般建築を、そして住宅設計では「笑顔が溢れる住環境の提供」をコンセプトをもとに、会社員から経営者、作家など幅広い層の住宅や施設設計に携わる。