YANO'S BLOG
リビングイン階段で失敗しないための空間づくりとは?
2018.07.10 省エネ(エコハウス) メルマガバックナンバー リビングイン階段
今回は、建築空間としての
リビングイン階段について
お伝えしましょう。
 
改めてお伝えすると、
リビングイン階段とは、
リビングから2階に上がる
階段のことを言います。
 
建築空間としてリビングイン階段を
設ける場合は、
 
リビングを吹き抜け空間にして
そこに階段を設けて、上階の
ホールにつなげる方法や
 
吹き抜けはないですが、
リビングから空間的につながった
階段が2階のホールに至る
方法などがあります。
 
文章で伝えるのは難しいですね。。
 
さて、このリビングイン階段ですが、
断熱性がそれほど高くない家では
注意が必要です。
 
なぜなら、階段を介してリビングと
上階のホールまでは空間的につながって
いるので、空調面積が増えて、効かなく
なってしまうからです。
 
特に吹き抜けで繋がるリビングイン階段は
家の断熱性能を高めないと見た目は
いいですが、夏暑く、冬寒い空間に
なってしまい、本末転倒です。
 
後者の吹き抜けでないタイプの場合は、
断熱性能が低い場合は、階段前に必ず
扉をつけてみてください。
 
ちなみに断熱性能の目安は、
Q値で2、Ua値で0.6 
が瀬戸内や太平洋沿岸で必要になると
知っておいてください。
 
この数字はそれぞれ小さくなれば
なるほど断熱性能が良いことを
示しています。
 
2020年に施行される省エネ基準」は、
上記の数字より程遠い、Q値2.7、
Ua値0.87です。
 
日本の中では、2020年基準は水準の
高いものだという感覚がありますが、
先進国の中で、同気候のエリアで比較
すると私がオススメしているQ値2は
最低限の目安だというのも知って
おきましょう。
 
私が普段設計する家は、Q値でいうと
0.8〜1.7ぐらいが多いですね。
 
それぐらいの性能になれば、
リビングイン階段のあるリビングの
居心地は格段と良くなるでしょう。
 
このように、間取りの使い方だけでなく、
家の性能を伴わせないと、成り立たない
ことも押さえておいてください。
 
 
八納啓創
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この記事の著者
八納客創(やのけいぞう)
一級建築士 G Proportion Architects 代表。
「快適で居心地よく洗練されたデザイン空間」を探求している1級建築士。「孫の代に誇れる建築環境を作り続ける」をビジョンに、デザイン性と省エネ性、快適性を追求する一般建築を、そして住宅設計では「笑顔が溢れる住環境の提供」をコンセプトをもとに、会社員から経営者、作家など幅広い層の住宅や施設設計に携わる。